TOP>もっと知りたいたまごの話>コレステロールの話


コレステロールの話

1) コレステロールに関する学術的研究
卵に関する話題で必ず出てくるのがコレステロールの話です。
最近はコレステロールにも悪玉(LDL)と善玉(HDL)という分類がされ、話が複雑になっていますよね。

悪者扱いされているコレステロールですが、人間や動物が生きていくうえでは必要不可欠な栄養素。食事から取り入れた脂肪の消化吸収に必要な胆汁酸やホルモンの原料になるもので、LDLは血管などに必要なコレステロールを運び、HDLは余分なコレステロールを肝臓に回収する働きを持っています。適当な量であればLDLもHDLも私たちの体の中には両方存在しなければならないものなのです。
ただし、LDLが増えすぎると血管壁に入り込み、動脈硬化を促進します。一方、HDLは血管壁に付着したコレステロールを回収し、動脈硬化の進行をおさえる働きをします。

学術的には、私たちがTVなどで耳にする悪玉コレステロールと言われている成分も、卵を食べた結果、増えるということはありません。
卵黄に含まれているレシチンというリン脂質はLDL値を低下させる働きがあり、また卵に含まれるオレイン酸という脂肪酸は、LDL値の低下とHDL値を増やす働きがあることがわかっています。
まじめに生産された卵であれば、コレステロールを気にせず、安心してお召し上がりいただけます。

近年の研究で、食事以外に卵を1日3個ずつ、2週間に渡って食べ続ける、といった卵の摂取とコレステロールの因果関係を研究する実験がいくつか行われました。
どの実験でも、血中コレステロール値にはほとんど変化が見られませんでした。


2) コレステロールに関する俗説
「卵を食べるとコレステロール値があがる」という俗説は、今から100年以上も前のロシアでの実験にさかのぼります。
実験では、"ウサギに卵を食べさせたところ、血中コレステロールが増加し、動脈硬化が起こった。よって、コレステロールは動脈硬化の原因だ!"と結論づけられたため、上記のような悪いイメージが定着しました。
しかし、ウサギは草食動物。植物にはコレステロールは含まれていません。そんな草食動物のウサギに動物性の卵を食べさせれば、コレステロール値が急上昇してしまうのは当たり前。実験の前提自体が現在の科学では考えられず、これが誤解の原因となってしまったのです。

もどる



 

ページTOPへ